校 長 挨 拶

東京都立南多摩高等学校長

小林 幹彦

「心知体の調和」をもとめる“教えあいの里”

― 人間力の南多摩 ―

今から100年以上の昔から「南多摩」の地に多くの若者が集い、教えあい、学びあってきました。人と人の関係を大切にし(心)、学問を探究し(知)、体を鍛え(体)てきました。そしてその調和のとれた力(人間力)は「南多摩」から全国各地に広がっています。
人間力とその要素
人間力とは「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」といわれています。総合的な力ですから人間力には様々な要素が含まれています。思いやりや意欲を始め、思考力、理解力、創造力、コミュニケーション力、表現力、体力、等々です。そして大切なことはたくさんある要素のそれぞれが人間関係の中で機能し、また人間関係の中で育っていくということです。


「思考」「理解」も人間関係から生じる
人間に特徴的といわれる「思考」や「理解」を例に考えて見ます。コンピュータをモデルに人間の機能を考えると、情報の入力と出力の間に「思考」や「理解」があります。具体的にいうと、見たり、聞いたり、触ったりして情報が入力される⇒情報を処理して⇒話したり、書いたり、動いたりして出力する、この情報処理が「思考」や「理解」であるということです。このことは頭の中に蓄えられている知識を情報として入力する場合も、頭の中でイメージとして出力する場合も含めて言えると思います。全ての生物は環境に適応していくために「入力→情報処理→出力」のシステムを使って生きています。なかでも人間は言語的な入力や出力を多用してコミュニケーションし、そのコミュニケーションによって「思考」や「理解」が深まっていくところに特徴があると思います。したがって人間関係のコミュニケーションのないところに「思考」や「理解」は成り立ち難いのではないでしょうか。入力のない「思考」や「理解」、出力のない「思考」や「理解」は考えられません。

「心知体の調和」をもとめる
したがって人間力を磨くためには次のことが言えると思います。全ての基本となる人間関係を育てるために、人間らしい「心」が、また人間は脳に蓄えた知識を情報として活用できるので豊かな「知」識が、そして環境と関わるための入力も出力も体を使ってはじめて実現するので健全な「体」がそれぞれ大切になります。「人間力の南多摩」では“教えあい”の人間関係を重視し、「心知体の調和」をもとめていきたいと考えています。

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